指導力不足に尽きる

お盆休みが終わって、流れが変わってしまった65歳以上の劇団。
人数が増えればそれだけ可能性は増えるはずなのに、気づけばどんどん窮屈になりつつある。
昨年から稽古をしている1作品が思うように進まず、いまだに完成は見えてこない。
落語の演目『替わり目』を立体的に、つまり登場人物たちの見える化を試みているのだけど、完成が見えてこないのは大きな誤算だった。

YouTubeで検索すると多くの落語家さんが演じてくださっていて、お手本があるわけだ。

台詞を覚えるのも、かけあいの間も動画を見ながら言ってみたら今までのゼロから創る作品よりは早く掴めるかもしれない。


 全てが誤算だった。
長く稽古をしているとダレる。
もっと公演がしたい。
目標がないとモチベーションが上がらない。

という意見もあった。

長く稽古をしているのは、まだ台詞のうろ覚えな段階で面白さまで創ることができていないから。

つまんない公演を誰が観たいのだろうか。
そりゃ自分たちは人前に立つことに満足感は感じるのかもしれない。だけれど、観させられた人は「また観たい!」とは思えない。

公演だけが目標ではなく、稽古が楽しいとか己の演技を磨くとか、自分がどういう時間を過ごそうと思うかで変わるということ。


人にモチベーションを上げてもらおうとしている人がとても多いのだ。


私はお客さんが楽しんでくれたり心をちょっとでも動かしてもらえる、そんな舞台を届けたいと思っているし、今後もそれを追求したいと思う。
自己満足のためだけの舞台なら、お客さんは入れないで勝手にやったらいい。


マイナスな感情で創る舞台ほどつまらないものはなくて、演劇をかじった人が必ずと言っていいほど陥るのは、自分のことを棚に上げて新人を否定することだ。

「ほとんど素人さんなので、何がしたいのか自分たちがわからない」と言ったベテラン?がいた。

素人さんには可能性しかなくて、わからなくていい。自分の好きなようにやってみたらいいのだと私は考えていて、だけれどベテラン?さん達はこぞって素人さんにダメ出しをして押さえつけてしまうのだ。

なんてことだ!


本当に力のあるベテランさんは、どんな芝居も受け止めて魅せる。「自由に思いっきりやりなさい」と言い、素人さんが演技をしやすいようにもっていくよ。

今、変化しなきゃならないのは間違いなく、驕りと傲慢さで和を乱すベテラン?達だ。



そして、その変化の流れを生み出せない
私の指導力不足に尽きる。


このチームで、悲しむ人が出てしまったことがとても悔しい。

女優であり演劇講師・演出家ちゃんみかの活動日記

幼い頃から役者になりたくて、二十歳の時に劇団トマト座へ所属しプロの役者として全国の子ども達に演劇を届けるお仕事をしていました。600ステージ以上の舞台経験と培ってきたノウハウをもとに、演劇教育を通じてコミュニケーションについて考え、表現することや「伝える・伝わる」ことの大事さを伝えます。

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