65歳以上の劇団稽古を見学に来ませんか?いつでも無料公開している演出力

65歳以上の劇団、代表をしています岡田美香です。

先日、見学に来てくださった人からとても良い感想をいただきました。
立ってることへの違和感とか、言われてみて確かにそうだなって思いました。
演出をしている時に心がけていることは

『お客さん目線』

であること。

私達は台本をもらって何度も読み、言葉にして動きをつけて稽古をしますから、どうしたって慣れてしまいます。物語が理解できてしまいます。

お客さんはどうでしょう?

台本をもらい文章で理解することはなく、目の前に立つ役者たちの言葉や動きを見て、感じて理解していきます。

役者たちの当たり前はお客さんにとって当たり前ではないのです。


気をつけることは、
お客さんがいかに違和感なく物語へ入っていけるか。

役者たちには自分のやりたいことがあります。例えば、ここの台詞でこう動きたいとか、この台詞はこう言いたいとか…。

演出家によっては、同じように「ここでド派手に出て来てほしい」とか「飛び込みながらいなくなってほしい」など、言う人もいます。

ただ、その多くは自己満足な理由でそうした段取りをつけています。
これっていうのは、お客さんが観た時にどう映るのかを考えてはいない場合が多いです。
今回見学に来てくれた人が観たシーンを文章化すると、酔っ払った亭主を家に連れてきた車屋を奥さんが玄関で見送ったあと、亭主に「ちょいとあんた、なんだってうちの前から車屋に乗るのよ」と夫婦のやりとりが始まるのだけど、玄関から全く動かずしばらく酔っ払った亭主と奥さんが遠い距離で会話していたのね。

  • なんで亭主に話してるのに近寄らないの?
役者の答えは簡単で、近寄って座っちゃったら何もできなくなるからなんだね。

それって役者の勝手な都合であって、違和感を感じる芝居を観るお客さんのことは考えてないってこと。

座っちゃったらただの普通の会話というか、ドラマが全く無くなっちゃうのは役者がそこの芝居を埋められてないからなのだけど、それってすぐにはできないことだから、演出はどうにか埋められる芝居を考えていくわけ。

その時に役者ってのは不思議と「そんな遅い時間に縫い物なんかしない」とか言っちゃうんだけど、そんなところお客さんはまず気にしない。観たいのはそこじゃないから。

役者だけの都合なんかどうでもよくて、なんなら内輪の自己満足だけの舞台を創る気は全くないからね。

逆に言うと、じゃあお客さんだけが満足すりゃ良いかって言ったらそれも違う。


お客さん全員を満足させることは目指していてもなかなかできないことも知っているし、それなりに舞台経験を積んで学んできたから言えることなんだけど、

【自分たちはなぜ舞台に立つのか?】

をしっかり考えることね。
↑私が最も尊敬し、嫉妬するパフォーミングアーティストの小林賢太郎さんと相方の片桐仁さん。私の人生が変わった、ラーメンズという存在。



届けたい思いも熱量もない舞台ほどつまらないものはなくて、逆に思いと熱量がある舞台ってのは役者が楽しそうだってお客さんに伝わる。

つまんなそうに舞台に立つなら立たなきゃいいだけで、そのあたり私はとても厳しいです。



ただね、ここに通ってくれる人達はプロではないし、趣味の範囲なのでとにかく楽しく、厳しすぎずに演出をしています。

どんな演出をするのか、今、演劇に関わる人もこれから関わりたい人も、稽古を見ているとそれだけで勉強になるよ。

平日、月曜日と木曜日
午前9時30分〜11時30分
場所は新潟県三条市のステージえんがわ

いつでも見学に来てね。
(たまに休みの時もあるので見学の際には一応お電話頂けると、岡田必ず行きます。)


では、また。
岡田美香

女優であり演劇講師・演出家ちゃんみかの活動日記

幼い頃から役者になりたくて、二十歳の時に劇団トマト座へ所属しプロの役者として全国の子ども達に演劇を届けるお仕事をしていました。600ステージ以上の舞台経験と培ってきたノウハウをもとに、演劇教育を通じてコミュニケーションについて考え、表現することや「伝える・伝わる」ことの大事さを伝えます。

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